(3)チャレンジ・キャンプ

 山形に移動して、学生たちと実施した「チャレンジ・キャンプ」は、全スタッフがSTEPを学び、毎夜の「スタッフ・ミーティング」で子どもの言動理解や対応について、「STEPならどう考えるの?」「STEP ならどう対応するの?」が繰り返されました。たった1 週間での子どもの変容を目の当たりにした学生によっては、自分の将来などを考えるまたとない機会だったようです。

 また、希望する保護者にもSTEPを受講してもらいました。保護者によっては、自分の子どもとのかかわり方を大きく見直してくださり、子どもはキャンプでの良い変化をそのまま続けることができていったケースもいくつも見られたのでした。自分の子どものためならば、そこまでの自己変革をなし得る親の力も見せていただきました。

 しかし、諸事情により、第5回までで一区切りせざるを得ませんでした。

 あれから約四半世紀が経ち、あの子たち、どんな大人になっているのだろう?と会ってみたい思いも出てきています。

キャンプの目標と方法

 「ひらめの合宿」を引き継ぎ、「ふれあい合宿」と「チャレンジ・キャンプ」を通して、最終的に次のような目標と方法で進めていたことになります。

  • 目標:主体性/自主性を育てる
  • 下位目標:
    (1)安心して自分を表現することができる
    (2)自分で選んだ活動に積極的に(繰り返し)取り組み、最終的には“やった”とか“おわった”とか思える達成感を味わうことができる
  • 方法:
    (1)日課がない/子どもが自分で自分の生活をデザインする
    (2)ほめない/替わりに“勇気づけ”
    (3)叱らない/替わりに“反映的な聴き方”から“問題解決への模索”を/“I-メッセージ”/“選択の余地を与える”など
    (4)教えない/子どもの試行錯誤につきあう
    (5)愛称で呼び合う/子どもと対等・ヨコの関係でいたいから
    (6)スキンシップを受け入れる/中には不安定な部分をもつ子どもも含まれる
    (7)話し合いをコーディネートする/集団での問題解決支援