(5)共育を心理学的に支援すること

 子育て&教育は、子どもから親&教師としての不十分さを教えてもらえて、そこからともに育つ機会が与えられる、すてきな役割/仕事です。ここでは、子どもにかかわる大人自身もよく育つことを支援したいと願っています。

 人間の子どもは、途方もない学習能力を持って生まれ出ています。生まれ出たその環境から多くのことを学んでいくのです。しかし、その環境の中心である大人の子どもへのかかわりは、“玉石混淆”状態です。“良いかかわり”もないではありませんが、“良くないかかわり”もかなり含まれているようです。その積み重ねの中で子どもによっては“この関係性の中ではうまく自立できそうにないよ”という叫びをさまざまな症状として表現してきます。できれば、子どもの育つ環境を構成する大人のひとりとして、子どもの適切な学びを促すことのできる“親”“教師”であってほしいと願います。